目次
【特集3】LGBT・LGBTIの権利保障ー国際的・国内的動向
最終更新 2016-11-12 掲載 2014.11.30 執筆:三成美保
●LGBT/LGBTI
(1)性的指向(性愛の対象)による区別
- LGB
- L(レズビアン):女性の同性愛者
- G(ゲイ):男性の同性愛者/同性愛者の総称
- B(バイセクシュアル):男性と女性の双方に性愛が向かう
- 性的指向と性自認
- 性的指向は、性自認との関係で決まる。したがって、MTFのトランスジェンダー/トランスセクシュアルが、男性を愛する場合には、身体が男性のままでも「異性愛」となる。
- なお、性的指向が男女のどちらにも向かない人を「アセクシュアル」とよぶ。
- LGBTIの人口比率については⇒*【特集3-1】LGBTと性分化疾患ー「性別の二元構造」とLGBTI(三成美保)
- 同性婚については⇒*【特集3-2】同性婚をめぐる国際的・国内的動向(三成美保)
- 同性婚法(資料)⇒*【特集3-3】ニューヨーク州の同性婚法(婚姻平等法)2011年
- レズビアンについては⇒*【年表9】レズビアンの歴史
(2)性別違和(身体的性別と性自認が一致しない)
- TGとTS
- TG(トランスジェンダーTransgender):持続的な性別違和感をもつが、身体の変更までは望んでいない人
- TS(トランスセクシュアルTranssexual):身体を変更した人/身体を変更したいと望んでいる人
- MTFとFTM
- MTF(Male to Female):生まれたときの身体の性別が男性で、性自認が女性
- FTM(Female to Male):生まれたときの身体の性別が女性で、性自認が男性
(3)性分化疾患(Disorders of Sex Development:DSD)
- 「染色体、性腺、または解剖学的性が非定型である先天的状態」(日本小児内分泌学会)→日本小児内分泌学会「性分化委員会性分化異常症の管理に関する合意見解」(平成20年)
⇒http://jspe.umin.jp/medical/files/guide11203565.pdf - 「性分化疾患」については、「インターセックス」という語が使われる場合もあるが、用語をめぐってはさまざまな議論がある。
- LGBTと性分化疾患については⇒*【特集3-1】LGBTと性分化疾患ー「性別の二元構造」とLGBTI(三成美保)
●国連の動向ー国連人権理事会・国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
●国連広報
- 国連広報センター「LGBT」
「政府間レベルでも、LGBTの問題にかつてない関心が注がれています。人権理事会は2011年6月、性的指向と性同一性に関するものとしては初の国連決議となる決議17/19(A/HRC/RES/17/19) を採択し、個人の性的指向や性同一性を理由とする暴力や差別に対する「由々しき懸念」を表明しました。この決議の採択がきっかけとなり、OHCHRはこの 問題に関する初の正式な国連報告書(A/HRC/19/41)を作成しました。この報告書の内容は、2012年3月に人権委員会で行われたパネル・ディス カッションのたたき台にもなりました。国連の政府間機関がこの問題を正式に討論するのは、これが初めてのことでした。」
(国連広報センター「LGBT」から一部引用:(出典→http://www.unic.or.jp/activities/humanrights/discrimination/lgbt/)
●国連人権理事会等の決議など
- 2011年6月:第19回国連人権理事会決議(A/HRC/RES/17/19)=性的指向と性別違和に関する初の国連決議
⇒日本語訳→http://www.unic.or.jp/files/a_hrc_res_17_19.pdf)
⇒記事(2011年6月17日) 国連人権理事会:性的指向に関する画期的決議を採択(NGOヒューマン・ライツウォッチ) - 2011年11月17日:国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)による初の正式な国連報告書(A/HRC/19/41)
⇒英語原文(全25頁)→http://www2.ohchr.org/english/bodies/hrcouncil/docs/19session/A.HRC.19.41_English.pdf) - 2012年9月:国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が発行した冊子
BORN FREE AND EQUAL:Sexual Orientation and Gender Identity in International Human Rights Law(2012)
⇒英語原文(全64頁)→http://www.ohchr.org/Documents/Publications/BornFreeAndEqualLowRes.pdf - 2014年9月:第27回人権理事会、性的指向とジェンダー・アイデンティティなどについて決議
⇒http://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2014/10/27-1.html
●UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)
- Sexual Orientation and Gender Identity(政策文書・判例など)→http://www.refworld.org/sogi.html
●モントリオール宣言(2006年)
International Conference on LGBT Human Rights of the 1st World Outgames on the 29th of July 2006
- 宣言全文(英語)→*http://www.declarationofmontreal.org/DeclarationofMontreal.pdf
- 関連Webサイト→*http://www.declarationofmontreal.org/
●ジョグジャカルタ原則
- 「ジョグジャカルタ原則」は、LGBTの人びとや性分化疾患のうち自己の意思に反して必要でない手術を受ける可能性のある症例の当事者の人権を保障するための原則である。今日、国際社会でもっとも包括的なLGBTおよび性分化疾患当事者の権利保障原則とされる。
- 同原則は、2006年11月にインドネシアのジョグジャカルタの国際会議で、国際法律家委員会や元国連人権委員会委員、及び有識者たちによって議論され、採択された。翌2007年3月、国連人権理事会にて承認された。全部で29原則からなる。
- Yogyakarta Principles - Principles on the application of international human rights law in relation to sexual orientation and gender identity 2006年
(同上:出典=Yogyakarta Principles - Principles on the application of international human rights law in relation to sexual orientation and gender identity)
⇒英語原文(全38頁)→http://www.yogyakartaprinciples.org/principles_en.pdf
●LBGTに対する暴力行為の報告例
- 2009年8月17日 *「イラク:同性愛者の殺害やめよー相次ぐ殺害 でも政府からの保護はなし」(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)
●LGBTの権利擁護に向けた組織・団体など
- Centre for the Studies of Discrimination based on Sexual Orientation (CSDSO:ドイツ) →http://www.csdso.org/